更年期の症状を少しでも和らげたい――そんな想いからヨガに関心を持つ方は多いのではないでしょうか。
実際に、ヨガは呼吸を整えながら体をゆっくり動かすことで、自律神経のバランスを保ち、心と体の両面に良い影響を与えると報告されています。

最近気持ちの浮き沈みが激しかったり、動悸が激しいことが増えてきたけど、薬にはできるだけ頼りたくないのよね。
ホットヨガが更年期症状に良いって聞くけど、私は大丈夫なのかしら?
ヨガには常温の室内で行う通常のヨガと、室温約35〜40℃、湿度55〜65%程度に保たれたスタジオで行うホットヨガがあります。
ホットヨガには血流を促し筋肉をほぐす効果があり、通常のヨガにはない効果が期待できるといわれてます。しかし更年期特有の〝のぼせやすい〟などの症状には逆効果になるので注意が必要です。
この記事では、ヨガが更年期にどのような効果をもたらすのかを医学的根拠に触れながら解説していきます。
ヨガに興味を持っている人の中でも、特にホットヨガが気になる方向けに、受講する際の注意点をまとめました。



健康になりたいためにホットヨガを初めて、よけい不調になったら悲しいですよね。
これからヨガを始めようと考えている方は、ご自身の症状に合わせて通常ヨガ・ホットヨガのどちらがいいのか参考にしてください。
ホットヨガが気になる方はこちら!
▼ホットヨガの効果について気になる方は、こちらをご覧ください。


更年期とヨガの関係


更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく減少することで起こる心身の変化の時期です。主な症状には、以下のようなものがあります。
- 顔のほてりや急な発汗(ホットフラッシュ)
- 動悸やめまい
- 不眠や睡眠の質の低下
- イライラや気分の落ち込み
- 冷え、肩こり、関節のこわばり
こうした症状の背景には、自律神経の乱れやホルモンバランスの変化が大きく関わっています。
ヨガは「呼吸・姿勢・瞑想」を組み合わせた運動法であり、近年は更年期女性の健康改善に役立つという研究結果も増えてきました。明治安田厚生事業団体力医学研究所の研究では、ヨガが更年期女性のストレス、不安、不眠などの症状を軽減する可能性があると報告されています。(引用:保健指導リソースガイド)
つまり、更年期の心身の不調に対し「薬に頼らないセルフケア」として、ヨガは有効な選択肢のひとつといえるのです。
ヨガで期待できる効果


出典:LAVA HP
日本国内で発表された論文や研究により、ヨガが更年期症状の緩和に一定の効果があることも科学的に実証されています。
明治安田厚生事業団体力医学研究所の甲斐裕子氏らによる「寝る前に毎日10分間、ヨガを取り入れたストレッチを3週間行うことで、更年期症状と抑うつが改善された」という介入研究が、医学誌「更年期障害」で発表されています。(引用:保健指導リソースガイド)
「更年期女性に対するヨーガ介入の効果」(石田貞代ほか)は、週1回60分のヨガレッスンと週2回の自宅練習を8週続けた結果、不安・うつうつ・QOLが改善されたという実証データを示しています。
(引用:横浜創英大学 研究論集 5~12頁/53頁)
なかでも「特に期待できる効果」が以下の2点です。
自律神経を整え、ストレスを軽減する
更年期は脳の視床下部の混乱で、交感神経と副交感神経のバランスが乱れることにより、体温調節の失調、過剰な発汗、換気、肩こり、倦怠感、不眠などが起こります。
ヨガでは、ゆっくりとした動きと深い呼吸を続けます。この動きにより、交感神経の過剰な緊張を抑え、自律神経のバランスを本来の状態にもどしていきます。
ヨガを継続することで、ストレスの軽減、気分の安定、寝つきやすさの改善など更年期で現れやすい心身の不調が緩和されると言われてます。
筋力と柔軟性を維持する
加齢とともに筋力やバランス感覚は低下しやすく、転倒や骨折のリスクが高まります。
ヨガのポーズには筋肉を支える動作が多く、体幹や下半身を強化する効果があります。柔軟性も高まるため、肩こりや関節のこわばりが和らぐことも期待できます。
更年期×ホットヨガのメリットとリスク


ホットヨガは、室温約35〜40℃、湿度55〜65%程度に保たれたスタジオで行うヨガです。温かい環境で体を動かすことにより、通常のヨガにはない効果が期待できます。
メリット
- 血行促進と代謝アップ
高温多湿の環境で体が温まりやすく、血流が促進されます。冷えを感じやすい更年期女性にとって、体の芯から温まるのは大きな魅力です。 - 大量の発汗によるデトックス感
たっぷり汗をかくことで「すっきりした」「体が軽くなった」と感じやすく、気分転換にもつながります。 - 筋肉がほぐれて柔軟性が高まる
体が温まることで関節や筋肉が動かしやすくなり、通常ヨガよりもポーズが取りやすい場合があります。
リスク
一方で、更年期女性にとってホットヨガは体に負担をかける場合もあります。
- ホットフラッシュを悪化させる可能性
高温の環境は、すでにのぼせやすい更年期女性には逆効果になる場合があります。 - 脱水症状やめまいのリスク
大量に汗をかくため、水分補給が不十分だと脱水や立ちくらみを起こしやすくなります。 - 心臓や血圧への負担
動悸や高血圧を抱えている人は、心血管系に負担がかかる恐れがあります。実際、日本産婦人科学会も「更年期女性は運動強度に注意が必要」としています。
更年期にホットヨガをする時の注意点


ホットヨガは体を温めてリフレッシュできる反面、更年期女性にとっては体調を崩すリスクもあります。安心して続けるためには、以下の点に注意しましょう。
体調がすぐれない日は無理をしない
ホットフラッシュやめまいが強い日に高温多湿の環境で運動すると、症状が悪化する恐れがあります。特に 「今日は体が重い」「頭がボーッとする」 と感じるときは、無理せず休む判断が大切です。
こまめな水分補給を徹底する
ホットヨガでは想像以上に汗をかきます。水分不足は脱水や頭痛、立ちくらみの原因になるため、レッスン前後だけでなく途中でもこまめに水を飲みましょう。スポーツドリンクなど、電解質を含む飲料もおすすめです。
医師の確認を受ける
高血圧や心臓病、甲状腺疾患などの持病がある方は、ホットヨガを始める前にかかりつけ医に相談しましょう。薬を服用している場合も同様です。
レッスン中は「頑張りすぎない」
「周りについていかなきゃ」と無理をすると、通常のヨガよりもめまいや動悸を悪化させる原因になります。
- ポーズがきつければ休む
- 途中で座って呼吸を整える
- 場合によってはスタジオから出て涼しい場所で休む
など、自分のペースを最優先にしましょう。



これは私が良くやる失敗。つい周りの人と比べてしまって、「ちゃんとやりたい!」って頑張っちゃうんですよね。
でも、これが一番キケン!私も反省です…
ホットヨガを行う際は「水分補給・体調チェック・医師の相談」 を基本に、自分のペースで楽しみましょう。
ホットヨガをおすすめできる人・できない人(注意が必要な人)
ホットヨガはあらゆる効果がありますが、条件によってはホットヨガはお勧めできない場合があります。
ご自身の症状がどちらに合うかを確認しておきましょう。
おすすめできる人 | 効果 |
---|---|
冷え性が強い人 | 温熱環境で血流が改善され、手足の冷えや肩こりが軽減されやすい |
筋肉・関節のこわばりが気になる人 | 体が温まることで関節や筋肉が柔らかくなり、ポーズが取りやすい |
汗をかくことでリフレッシュしたい人 | 大量発汗による爽快感やデトックス感を得たい方 |
高温環境に比較的強い人 | 暑さに耐性があり、無理なくレッスンを受けられる方 |
\ホットヨガが気になる方はこちら!/
おすすめできない人 | 症状 |
---|---|
ホットフラッシュやのぼせが強い人 | 高温多湿の環境で症状が悪化する可能性がある |
動悸やめまいが起こりやすい人 | 発汗や運動負荷で体調不良を起こしやすい |
高血圧・心疾患など持病がある人 | 心血管系に負担がかかる恐れがあるため医師の相談が必要 |
体調がすぐれない日 | 無理に参加すると症状が悪化する可能性がある |
どちらにしても、更年期の症状を緩和させたいためにがんばるのは禁物です!あまり体調のすぐれない日は、ヨガを休んで休養を取ることを優先しましょう。
\自宅でゆっくりヨガを楽しみたい人はこちら/
失敗しないスタジオ選び
ホットヨガを始めるなら、通いやすく、安全で続けやすいスタジオ選びが重要です。特に更年期世代が安心して通えるポイントをまとめました。
ポイント | 詳細 |
---|---|
通いやすさ | 自宅や職場から無理なく通える距離。通うのが負担だと継続が難しくなる |
女性専用スタジオ | 女性専用であれば更年期世代も安心して利用できる環境 |
初心者向けクラス | 「リラックスヨガ」「ベーシック」など、強度控えめのクラスがあるかを確認 |
50代以上の利用者がいるか | 同世代の利用者がいると雰囲気に馴染みやすく、続けやすい |
体験レッスンの有無 | 初めての方は体験レッスンで自分に合うかを確かめるのが安全 |
まとめ:更年期には通常ヨガは◎、ホットヨガは条件が合えば◎


出典:LAVA HP
更年期の症状は人それぞれ違います。「冷えがひどい」「ホットフラッシュが強い」「肩こりや筋肉のこわばりが気になる」など、自分の悩みに合わせてヨガの種類を選ぶことが大切です。
ここでは、主要な更年期症状ごとに 通常ヨガとホットヨガの効果を比較 しました。
症状 | 通常ヨガ | ホットヨガ |
---|---|---|
ホットフラッシュ | 〇 | × |
のぼせ・顔のほてり | 〇 | × |
冷え性・手足の冷え | △ | 〇 |
肩こり・筋肉のこわばり | △ | 〇 |
不眠・睡眠の質低下 | 〇 | △ |
イライラ・気分の落ち込み | 〇 | △ |
発汗による爽快感 | △ | 〇 |
この表からわかるように、通常ヨガはほとんどの更年期症状に幅広く対応でき、体調に左右されにくい点で安心です。
一方で、ホットヨガは冷えや筋肉のこわばりには非常に効果的ですが、ホットフラッシュやのぼせが強い方には負担になる場合があります。
ホットヨガが気になる方はこちら!
▼ホットヨガスタジオ「LAVA」について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。


ヨガは更年期症状の緩和に一定の効果があることも科学的に実証されています。
常温で行う通常のヨガと暖かい室内で行うホットヨガを更年期の症状に合わせて使い分けるのもいいですね。



私の場合は、こころを安定させたいときは、LAVAでホットヨガ。動悸が激しいときは無理せず休んで、落ち着いてきたら「おうちヨガ」でゆっくりヨガをしようかな!



その選択はとてもいいですね!
ヨガの効果で、みなさんが少しでも健やかな日々を送れますように願っています。

